「DX」は便利な言葉です。けれど定義のないまま使われると、IT化やツール導入と区別がつかなくなります。本ノートでは、DXを関数の記法で定義し、判定できる形にしてみます。
変革を、関数として書く
変革(CX)の中身は、どこから出発し、どこを目指すかで決まります。つまり変革は、現状と目指す姿の関数として書けます。
CX = f ( as-is , to-be )
変革は、現状(as-is)と目指す姿(to-be)で決まる
目指す姿が描けていない変革は、関数の引数が欠けている状態です。出発点を正しく見ていない変革も同じです。
DXは、デジタルを変数に持つ変革
では、DXとは何か。デジタル(d)を変数として含む変革、と定義します。
DX = CX ( d )
ちなみに d(cx) = c·dx という語呂合わせは、意図したものです。
判定式その一:デジタルは、変革に効いているか
∂CX / ∂d ≠ 0
デジタルを動かしたとき、変革が実際に動くか
ツールを入れたのに、業務も組織も何も変わりません。よくある光景ですが、これは偏微分がゼロの状態です。そのデジタルは、変革に効いていません。
判定式その二:デジタル化とDXを分けるもの
∂²CX / ∂d ∂org ≠ 0
デジタルの効き目が、組織のありようによって変わるか
紙をPDFに、ハンコを電子承認に置き換えます。こうした「デジタル化」では、デジタルの効果は組織と無関係に決まります。DXはそうではありません。デジタルと組織が掛け合わさって初めて生まれる変化、つまり交差項がゼロでないことが、DXの条件です。
組織とともに効き目が変わるなら、それがDX。
実務への含意
この定義から、私たちの方針が一つ導かれます。最初にDXの要否そのものを問い直すことです。∂CX/∂d がゼロに近いなら、デジタルは要りません。要らないものをなくすのが先で、デジタルは本当に必要になったときに使います。