ながれと構造の研究所

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RESEARCH NOTE No.2

日報は転記、定例は再転記
情報運搬コストという見えない固定費

Mamoru Awata(粟田 守) / 2026年10月

情報を共有するために、書き、集め、説明します。そのための工数を、私たちは「情報運搬コスト」と呼んでいます。削るべきは情報そのものではなく、情報を運ぶだけの作業です。

テーゼ

日報とは、すでに存在するデータの転記です。
定例会議とは、その転記内容の再転記です。

メールを送った、ファイルを更新した、タスクの状態を変えた。こうした業務の痕跡は、Microsoft 365やGoogle Workspaceの中にすでに残っています。日報は、それを人が手で書き写す作業です。定例会議は、書き写したものを口頭でもう一度運ぶ作業です。運搬が二重になっています。

あるべき姿は一文で言える

スタッフは生産に、マネージャは判断に回帰します。

スタッフは報告を書くために、マネージャは報告を聞くために、本来の仕事の時間を使っています。この二重の浪費をなくすことが目的です。

報告を、パイプラインに置き換える

報告の代わりに、業務の痕跡を上流から下流へ流す三段のパイプラインを置きます。

捕捉

業務ツール上の行動ログを自動で取る

構造化

生のログに意味と分類を与える

消費

ダッシュボードで見たいときに見る

会議はなくすのではありません。遅れ、滞留、例外といった「いつもと違う状態」を検知したときだけ開く。会議を、定例から、きっかけで起動するものに変えます。

最大の分かれ道は、誰が見るか

このパイプラインは、設計次第で性格が変わります。ダッシュボードを管理者だけが見るなら、監視の装置になります。本人も見られるなら、自分の仕事を知るための道具になります。どちらを選ぶかは技術ではなく、組織の意思の問題です。

まず、測ってみる

ほとんどの会社は、報告にかかる時間を測っていません。目安は次の式で出せます。

従業員数 × 日報の作成時間 × 営業日数
+ 定例の参加人数 × 時間 × 回数

御社の日報と定例会議、月に何時間ですか?

BEYOND THIS NOTE

この先の議論

ここで紹介したのは入口です。次のような論点は、皆さんの組織の状況に合わせて、ご相談の中でお話しします。

  • 業務ログのうち、何を拾い、何を拾わないか(プライバシーとの兼ね合い)
  • 構造化の単位を、案件・顧客・業務のどれに置くか
  • 日報と定例を、組織から無理なく外していく進め方
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