情報を共有するために、書き、集め、説明します。そのための工数を、私たちは「情報運搬コスト」と呼んでいます。削るべきは情報そのものではなく、情報を運ぶだけの作業です。
テーゼ
定例会議とは、その転記内容の再転記です。
メールを送った、ファイルを更新した、タスクの状態を変えた。こうした業務の痕跡は、Microsoft 365やGoogle Workspaceの中にすでに残っています。日報は、それを人が手で書き写す作業です。定例会議は、書き写したものを口頭でもう一度運ぶ作業です。運搬が二重になっています。
あるべき姿は一文で言える
スタッフは報告を書くために、マネージャは報告を聞くために、本来の仕事の時間を使っています。この二重の浪費をなくすことが目的です。
報告を、パイプラインに置き換える
報告の代わりに、業務の痕跡を上流から下流へ流す三段のパイプラインを置きます。
捕捉
業務ツール上の行動ログを自動で取る
構造化
生のログに意味と分類を与える
消費
ダッシュボードで見たいときに見る
会議はなくすのではありません。遅れ、滞留、例外といった「いつもと違う状態」を検知したときだけ開く。会議を、定例から、きっかけで起動するものに変えます。
最大の分かれ道は、誰が見るか
このパイプラインは、設計次第で性格が変わります。ダッシュボードを管理者だけが見るなら、監視の装置になります。本人も見られるなら、自分の仕事を知るための道具になります。どちらを選ぶかは技術ではなく、組織の意思の問題です。
まず、測ってみる
ほとんどの会社は、報告にかかる時間を測っていません。目安は次の式で出せます。
従業員数 × 日報の作成時間 × 営業日数
+ 定例の参加人数 × 時間 × 回数