ながれと構造の研究所

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WORKING PAPER No.1 / GLOSSARY

用語集
AI時代の組織論

Mamoru Awata(粟田 守) / Version 0.2

Working Paper No.1「AI時代の組織論」で使う用語をまとめました。コンピュータの用語は、組織を読むための比喩として使っています。

理論のコア

組織OS
人・情報・設備・権限という資源を直接触らせず、標準化された呼び出しを介して仕事を実行させる、OSとしての組織モデル。会社がソフトウェアである、という意味ではありません。
組織へのシステムコール
業務依頼・承認・検索・通知など、組織OSに対する標準化された仕事の呼び出し。非エンジニアには「仕事の依頼口」と言い換えるとよい。
システムコール品質
必要な仕事を、標準化され、安全に、予測可能な結果で実行できる能力。呼び出し先・権限・状態遷移・期限・結果の明確さで決まる。
組織能力方程式
組織能力 = 保有 × 流動 ÷ 摩擦 × システムコール品質。AI時代の組織設計・DX・エージェント設計を統一的に説明する仮説。
保有/流動/摩擦
保有は人材・設備・カネ・データ・ノウハウなどの資産。流動は資源が必要な場所へ届く能力。摩擦は属人化・承認待ち・二重入力・部門の壁など、ながれを阻害する要因。
意味品質
状態が、どれだけ組織的な意味として解釈できるかの品質。方程式の第五項として将来追加されうる拡張仮説。
状態管理
未読→既読、レビュー待ち→承認済みのように、状態の遷移を観測・更新すること。CRMの本質は顧客管理ではなく状態管理です。
ながれと構造
組織を、構造(組織図・権限・制度)とながれ(業務・情報・意思決定)の相互作用として理解する研究方法。屋号の由来。

実装レイヤー

カーネル
OSの中核。組織では組織ルール・権限・責任分界・意思決定基準に相当します。経営者その人ではありません。
プロセス
OS上で動く実行主体。組織では人とAIエージェント。人を機械扱いする意味ではありません。
スケジューラ
資源の配分を調停する仕組み。組織では管理職・ワークフロー。
組織知/RAG
組織OSのメモリに相当。RAGは、組織知や履歴をAIから参照できるようにする検索拡張生成の仕組み。
Microsoft Graph
Microsoft 365全体を横断する統一API。本理論では、組織OSへのシステムコール層と位置付ける。Graph自体はAIではありません。
Work IQ
Graph上の状態に意味を与え、対象を発見させる文脈の層。組織OSの意味空間であり、ディスカバリの層。製品名は変わりうる。
意味空間(Semantic Space)
状態が、案件・承認・顧客・優先度といった組織的な意味として解釈される層。
MCP(Model Context Protocol)
異種のシステムを統一的に接続する共通規約。システムコールをベンダに依存しないものにする候補。
AIネイティブ組織
人間とAIが共通のシステムコールで協働する組織。状態の観測→システムコールの発行、という循環を基本動作とします。

殻と境界

シェル(殻)
核(カーネル)を包み、自然言語と正式なシステムコールを双方向に翻訳する対話層。組織ではAIが立つ。
デーモン
常駐して呼び出しを待つサービス。組織では「何かやってくれる人」。組織図はデーモンのレジストリと読める。
サービスディスカバリ
「誰が・何をやってくれるか」を見つける仕組み。組織知の正体。
常駐への対価
雇用を「ポートを開けて待機することへの対価」と読む見方。宿直・オンコール手当はその先行例。
呼び出しコストと企業境界
内部を呼ぶほうが市場より安い範囲が会社の輪郭になる(コースの企業理論の読み替え)。共通規約はこの境界を動かす。
外骨格と皮膚
硬い殻(ERP)は組織に脱皮を強います。AIの殻は、再生する皮膚として更新され続けうる、という材質論。
呼び出せない仕事
「例の件、よろしく」に代表される、標準化されていない業務。API化以前の組織の現実。
APIサーフェス
外から見える、呼び出し可能な仕事のメニュー。使う人やAIから見た組織の姿。
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